映画『Every Day』を観たはなし

どうも。浮月です。
なんてことない日常ものが大好きです。

映画『Every Day』を観るために新宿にある映画館K’s cinemaへ先日行ってきました。
知ったのはtwitterで、ちょうど一年前の夏コミで出した『それでもわたしはあなたと共に』でかなり多大なご助力を頂いたmasaki kawasakiさんのRTでharuka nakamura氏が音楽を担当される映画がどうやらやるらしいぞ、という話を大分前に知ったのですが、それがいよいよ封切られたわけです。
haruka nakamuraさんに関して言えば思えば自分は昨年の早稲田教会もそうですがクリスマスの京都の演奏会しかり、気がつけばつい先月の大阪の天満教会の演奏会にも向かってしまい、いよいよ広島のチケットも買ってしまってこれはもうPile様のライブのために東京へも行く広島在住の某氏をいよいよ笑えなくなってきたなという感じではあります(

ちなみに映画は1日1回、2週間限定の作品ということで何があろうと行かねばならぬと前売り券を買うくらいの意気込みだったのですが、当日整理券を貰わなければならないと知って当日朝一発目に向かったところ前売り券を持ってくるのを忘れたのも今では良い思い出です(ちなみに後日前売り券で2回目を観ました)

あらすじは公式サイトで観て頂くとして、正直に言うと泣きました。
さすがに最初の回は満員だったのでかなり耐えた方なのですが耐えられませんでした。声には出さなかったですが涙がボロボロと。
映画で泣こう泣こうとして泣きそうになるのはよくあるのですが、大抵耐えれてしまうので(ラブライブとかしかり)あぁ自分もいよいよ自然と感動が出来なくなってしまったんだなぁと思っていたのですが、そうでもなかったようです。安心しました。
ストーリーをご覧頂ければある程度内容は察して頂けるかなぁと思うのですが、もちろんそんな最後も泣いたのですが、何よりも中盤の本当になんでもないシーンでボロボロボロ……と。
自分でもびっくりというか、思い返せば案の定とも言えるのですが。
タイトルにもある通り、ここで描かれているのは「日常」と「非日常」が妙に混じりあって出来た紛れもない「日常」であり、だからこそ「なんでもない」部分がとても琴線に触れてきました。
自分が思わず泣いてしまったシーンもある種「なんでもない」シーンでして。まぁ「特別」と言えるっちゃあ言えるのですがその直前がやはり「なんでもない」シーンなので特にこちらも意識してなくてその分思いきり喰らってしまった、みたいな。
終盤のあるシーンでの長台詞とかもやられました。ああいうのに滅法弱いのですが、その時のお三方の役者さんの演技がまた心に直接触れてきてボロボロボロ……。
ストーリーがストーリーなだけ色々と考えてしまう部分もあるのですが、それを含めてとても静かで綺麗な映画で観た後は本当に「観てよかった……」と思える映画でした。

個人的にはもう公開も終盤ですし(大阪ではやるようですが)、普通にネタバレ込みで「あそこがよかった」「ああなのはやっぱりこうだからなのか」とか言いたいのですが、それ言うとネタバレになるからなぁとか思ってしまう辺りどっぷり良かったなぁと思っているのかもしれませんし、何よりもみなさんに観ていただきたいなぁというのがあるのだと思います。
ここで超盛り上がる!!!! というのは無い映画なのですが、だからこそ何気ない台詞や表情、仕草が刺さる映画です。

とりわけharuka nakamura氏の音楽は最高ですね!!(クソオタ特有の語彙が無い感想
劇場で購入出来るシナリオブックに一部楽曲が収録されたサントラCDも付属されているのですが、ここに収録されている3曲目が本当に好きです。
もちろん1曲目も2曲目も好きです。
特報でも流れた1曲目は映画『Every Day』のメインテーマとも言えるような、なんでもない日常、流れていく日々を表しているかのようですし、2曲目はこの映画が作られるきっかけとなったharuka nakamura氏の『Grace』に収録されている「every day」のインストリアレンジ版とも言える楽曲で、原曲と比較するとどこか寂しさのようなものを感じてしまうのはもしかしたら映画を観てしまったからかもしれません。
その上で3曲目は流れるシーンも相まってとても胸に染み込む感じと言いますか。自分の好きなリバース音が入ってる時点でたまらないのですが、またその情景がとても美しい。光と追憶が織り成す美しさといえば良いのでしょうか。
正直今回の夏に出す新刊の結構山場となるシーンではずっと聴きながら書いてたくらいです。

惜しむらくは他にも劇中で使われた曲があるのですが、それが入ってなかったことでしょうか。
個人的に「Last Sunday」で流れた2曲とかものすごく入れて欲しかったです。
これに関しては何らかの救済といいますか、別の形で聴くことが出来たらとても嬉しいのですが……。

初日の舞台挨拶も観れて非常に満足だったと言いますか、出演者の方々からサインを頂いてしまいました。ミーハーマンこと浮月 いのり。
その上で自分の中では本当にとんでもない事件があったのですが流石にこの場で言うのはやめておきます。
いや、本当にとんでもないことだったんです。というかあのときの自分も相当緊張していたというか、中々やることやるなぁという感じでした。

それで2回目も観たのですが、これは2回観るのが良いと思いました。本当に。
2回観ると伏線がかなり張り巡らされているのがわかると言いますか、色々なシーンの見方が大分変わるのでなるほどなぁとなりながら終盤でドバドバ泣きました。
一番最後は大丈夫だろーとも思ったのですが2回目の威力は伊達ではなくドバドバ泣いてしまいました。
正直初回よりも泣いた感あります。あんまり2回目とかって泣かないものだと思っていたのですがそんなことないですねこれ……。

『Every Day』で単館映画と言えば良いのでしょうか、そういう場所で映画を観たのは初めてだったのですが、距離の近さ等色々と良いなぁと思いました。

夜9時スタートの映画なので案の定終わると一番最後に乗る電車の終電がなかったのですが、それを織り込んでも良い作品でした。
今週の金曜で終わってしまうのですが、最後の日は行きたいなぁ……でも満席で整理券がとれない可能性もあるのでしょうかううむ……。

後2回しかありませんが、機会があれば是非一度でもいいから観て頂きたい作品です。
とりわけ「日常」とか「なんでもなさ」とか、その中にある「愛しさ」「慈しみ」とかそういったものが好きな方には是非オススメしたいと思います。

冬コミ新刊のはなし2と3

どうも。
浮月です。

本当にすみません更新してなくて(白目
この間に色々とあったのですがもはやツイッタしかやってないという有様…。

ツイッタしかやってないとか論外だと言っていた昔の自分ゴメンな(真面目に

そしてすっかり冬の作品の音楽のライナーノーツ、2曲目以降をやっていないことに気付きました。
今更ですね。しかしここ最近更新してないのも酷いものなのですが……。
申し訳ないです。。。

というわけで冬コミ短編集に乗せた2つめと3つめの話、及びその対応曲のあとがき的な話を一気にします。

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「Goodnight orange light」のはなし

「街灯の明かりが消え、朝が来る。新しい一日が始まる」

小説:http://www.pixiv.net/novel/show.php?id=5098527
音楽(ニコ動):http://www.nicovideo.jp/watch/sm25888950
音楽(サンクラ):https://soundcloud.com/ghworks/goodnight-orange-light

希先輩って夜の国道とかを灯しているあの優しいオレンジ色の街灯みたいだなぁ、と。
後、卒業後に即行で運転免許取ってたら面白いよなぁ、とか。

まぁ、要はのぞえりとかオレンジ色の街灯とか卒業した後の妙な感覚の変化とか終わりがあれば始まりもあるとか東扇島とか夜の海の黒さとかそれでも一緒にいたいという気持ちとか日の出を見るにはいい季節とか春ニカ祭り2015とか昔書いた作品とか設定に無理があるんじゃない?とかこれ帰ったらベッドの上でデーデッデーですかとか。

・・・・・・・・・

 この話は幾つかの思いつきとか幾つかの話で出来てまして。
 大元は希先輩ってオレンジ色の街灯みたいだよなぁとぼんやり思ったのがきっかけの話、なのですが。
 夜の国道とかだとよく見るオレンジ色の街頭ってどうしてあんなにもほっとさせるんだろう、と。
 その明るさというか、色味がそっと傍にいてくれるような。そして並ぶオレンジ色の列は道を指し示してくれているのかなぁ、と。
 同時に暗闇にぽつりと浮かぶオレンジ色の街頭はどこか寂しげでもあるようで。
 無理やりかもしれませんが、その孤独と内包された優しさは希な感じもするなぁ、と。
 オレンジなら穂乃果だろって話ですがまぁ、ほら、ね?

 丁度卒業シーズンだったのもあり、卒業って離れ離れだよね。
 でも、のぞえりって多分お互いが一緒にいようと思えば多分いれるよね。
 どっちも妙に、卒業したら高校みたいな感じではいられないってうっすらわかってるけれども。
 どっちもその一歩がいまいち踏み出せていない、というか。
 そんなじれったさを感じながらも、その一歩をどう踏み出させるかな、と考えて作ったりなのですが。

 最初は夜でもちょっと違う感じの話で、のぞえりが夜の国道をぶらぶら歩く話でして。まぁその国道は作中にも出てきた道路なんですが。希先輩が車が走ってないのをいいことに国道に寝そべるなんて話でした。
 でもそれじゃ全く進まなくて暫く置いていたのですが、暫くして春ニカ祭り2015がそろそろ開催されるぞ、と。
 実は自分も気になっていて出来れば参加したいなぁと考えていたので、希先輩云々は置いておいてオレンジ色の街灯をイメージした曲にしよう、と。エレクトロニカっぽいし。
 そのフレーズがパンするエレピの音なのですが、作っていてやはりその先が上手く出来ない。
 さて参ったぞとなった所でふと思い浮かんだのが東扇島東公園という場所でして。
 自転車でたまに真夜中に行くのですが、対岸にある工場の煙突からゆらゆら昇る炎や、視線を変えると光が全く無い海が凄く印象に残るんです。
 そこを舞台にするか、となった時に更に浮かんだのが昔書いたオリジナルの小説で。そこでは埠頭の波止場で真夜中に女の子二人が話し、朝を迎えるシーンがあるのですがそれを借用しようと。自分の作品なのでどれだけパクったって構いませんし(
 そこから小説と音楽が一方進んでもう一方進んでと交互に進む感じで出来上がりました。
 音楽の最後の波の音は小説の最後のシーンで闇が終わって朝が来て、波の音もはっきりと聴こえるくらいになったイメージを出したつもりですし、日の出の場面は音楽の朝が来た部分のストリングスを聴きながらイメージしたりと個人的には相互に影響しあった作品でした。

 書きながら卒業後は劇場版で車の合宿なんて行けねえだろとか色々有るのですがほら、まだ劇場版やってないし!
 こんな話ありなのかなぁと相当悩んだのですが、これ、、、二次創作っすよ。。。(^_^;)という金言に助けられました。
 「connecting with you」に比べると評価はされなかったのですが、色々な方とも知り合うことが出来た作品だったので書いて作ってよかったなと思います。
 後、どうか皆さん曲の方も聞いてやってください……!(土下座

「隠し味に気付きましたか?」のはなし

「気付くも気付かないもあなた次第――」

http://www.pixiv.net/novel/show.php?id=4914458

 ことりってこういう想いの伝え方を自然にしそうだなぁ、と思って時期に合わせて一気に作った話です。

 ことえりというよりもことり⇒絵里な感じですが。

・・・・・・・・・

 前作『connecting with you』で感想を下さった方がことえりな方でして。
 その方からことえりを書かなければ(以下略)と脅され(ぉ)作った作品です。
 ことえりなんて作った事が無いしなぁと思いながらも、丁度バレンタインだったのでそれにあわせたネタを考え一気に作り上げた覚えがあります。

 バレンタインでことりが絡むので、ここはやっぱりお菓子作りとかかなぁ、と。
 お菓子作りを一緒にしながら思いを伝えるのだろうか云々考えていたのですが中々いい案が浮かばず。まぁぼくてぃんバレンタインとか生涯縁がない子ですし。
 そこでアイディアのヒントを得るためにチョコレートというかお菓子でことりな感じの曲を探して聴いていたのですが、Ken Araiの「Marble」(ドラマ『失恋ショコラティエ』のテーマ曲)をぼんやり聴いていた時、絵里先輩はチョコ貰いまくってる話ですし、ツンツンの頃はこれは一体?な感じだったのがμ’sに入ってからそういう認識をことりと一緒にバレンタインのお菓子を作ることによって変わっていくのが出せたらいいなぁ、と思いまして。
 それとことりの想いをどう表させるかなぁと考えたのですが、そう言えばチョコ繋がりのカカオリキュールを使ったカクテルでアマレット・アレキサンダーってあったなぁ、と。
 アマレットと言えばこの作品の最重要アイテムであり、最後でことりが言ってますが別名「愛のリキュール」なんて呼ばれてるリキュールで。
 リキュールなんだからお菓子に使っても大丈夫そうだろうと(現にカカオリキュールと合わせたカクテルがあるくらいですし)、それを使って絵里先輩に思いを伝えるなんて、少し回りくどいかもしれないけれども気付くも気付かぬもあなた次第的な小悪魔っぽさ含めことりっぽくて宜しいんでは? なんて思ってから一気に?話が出来ました。

 ただ絵里先輩でもアマレットなんて知らないと思ったので、一緒に作ってさりげなくその存在を出しておくことでその存在をインプットさせておこうと。そして本命のチョコを渡したときに気付くわけですね、あれ、これって――。と。
 もちろん沢山チョコを貰うだろうことも予想して、さりげなく他とは違うようなラッピングとかも考えてみましたがどうなんだろうなぁ、と未だに思ってしまいます。
 でも多分アマレットを前もって提示しておく位ならこれ位ことりはやるだろうなぁ、と。どうなんでしょ。自然に策士な感じが出たのでしょうか。

 なおことりが絵里先輩用に作ったお菓子はオペラのつもりです。そもそもテンパリングが面倒だと思うので作るのも相当手間がかかるでしょう。表面の光沢とか出すのが難しそう。
 自分はフォンダンショコラでいっぱいいっぱいです。あれ中溶けるのむずかしーねー。

 ことりがとにかくどんな口調で喋るのかとかあまり考えたことが無かったので道中難しかったですが、思ったよりも評価も頂けたようで何よりです。
 ことえりも中々面白いのですが、次はあるのだろうか…(苦笑

「connecting with you」のはなし

「呼び出し音が鳴る度に、この鼓動が早くなる」

http://www.pixiv.net/novel/show.php?id=4828445

希先輩って携帯の電話帳に結構色んな人を登録してる気がするのですが、絵里先輩と出会うまでは自分からは滅多にかけたことがなさそうだなぁ、と。
それで絵里先輩に電話かけるときに無茶苦茶緊張してたら良いなぁと思って書きました。

すっかり自分の中でなんでこんなに高評価というかブクマ数含め頂いたのか分からない作品です…。

そしてこの作品を作るきっかけも今となってはもう思い出せないのですが、
恐らく自分自身が電話とかをかけることが出来ない(かけるまでに物凄い時間がかかる)人間って所からかなぁ、と。

希先輩がそういう人ではなくて、でも最初に絵里先輩に電話をかける時はそうなんじゃないかなぁと思いまして。
そう考えると希先輩って転校してるから電話帳には結構登録してるけどそんな電話してそうにないな、とか。
ってこたぁ絵里先輩に電話をかける時って初めて(?)できた友達のようなもんで
どうしようってド緊張してたらいいなぁとなって書いた気がします。うん、書いた(決定)。

ただそれを作りながらもその導入をどうしようかと色々考えたところ、穂乃果には大変申し訳ないのですが
スマホのデータがぶっ飛ぶという目に遭ってもらいました……。
おかしいな、ラブライブの中で一番好きなの穂乃果なんだけど……。

でもそのおかげで随分と導入から明るい感じで上手くしっとりと本題に入れたかなぁ、と。
そして二ページ目に関しては本当にその前で終わりにするつもりだったのですが、
希先輩一番最初に絵里先輩に電話かける時無茶苦茶かしこまってたら面白すぎると思って入れたら
その後勝手にのぞえりが動き出しまして。

書いてて楽しかったんですけどね。

それも高評価の一つだったのでしょうか。

この作品を作るに当たって[.que]の「Decide」(アルバム『Drama』に収録)を良く聴いていました。
タイトル通り、希先輩が電話をかけようと決める辺りで集中して聴いていました。
ピアノとギターの音色が綺麗な一曲なのでオススメです。

それでは。

drama
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冬コミ新譜1曲目「solitude」のはなし

どうも。
浮月です。

あけましておめでとうございます。
本年もどうか、よろしくお願いいたします。

さて、冬コミに出した新譜のライナーノーツを順次出していきます。
インスト曲なので、聴いてる方の創造というか、そういったものを阻害する可能性がありますので、
それを了承の上で読んでいただければ幸いです。

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冬コミ新譜のはなし

どうも。
浮月です。

随分更新せずにいて申し訳ありませんでした。

◆冬コミの話
取り急ぎなのですが、冬コミまさかの合格でして。
合格を知ったのが結構色々あった時だったりで、かなり厳しかったのですが
何とか新譜作りました。

冬コミ(C87)新譜
『Reminicense for 20 years』

黄昏に見えた記憶、戻らないあの日――
追憶の物語を音楽に落としこんだエレクトロニカ調インストアルバムです。

3日目(30日) 東ラ52bにいます!(多分!

特設ページを作りました!

また、夏コミで頒布した『Ever Garden』も持っていきますのでどうかよろしくお願い致します…!