『陽が昇る時、そばにいて』の少し長いあとがき(その5

どうも。
浮月 いのりです。

『陽が昇る時、そばにいて』のあとがきはこれで最後になります。
今回は表紙と今後の話になります。

◆表紙の話
 表紙に関しては以前書きましたが、元々この話を書こうと決意したきっかけはサークル【ドルチェの冠】の坂城さんが、今回の表紙を描いて下さるのを承諾して下さったからなわけでして。
 アウトラインとなるあらすじを坂城さんに伝えさせて頂いて、そこから坂城さんにほぼ描いて頂いたという感じでした。
 本当に基本的に坂城さんにお任せな状態で、自分がしたのはその海の場面での二人の格好とかをお伝えすること位だったのですが、それがギリギリまで出来なかったという。。。

 そんな中、海の場面を描くならでお願いしたのがにこ先輩の髪型でして。
 表紙のにこ先輩がツインテールじゃなかったのは場面的に寝起きだからというのもあるのですが、にこ先輩の不器用な覚悟というか、決意表明といいますか、にこ先輩がことりに対してした今回のお願いの根幹部分はアイドル矢澤 にことかそういうのはあんま関係ないんだぞ、といいますか。
 そういうのをどうしても描きたかったというのがあります。一番最後の作中に書いてないですが。
 アイドル矢澤 にこではなく、ことりが作った衣装に背中を押された一人の少女、女性である矢澤 にことして。南 ことりという人物にする願い。
 この辺りに一番最初に考えていた、にことことりが二人で洋服店を開くというエッセンスが若干見えるなぁ、と今更思いました。

 坂城さんから頂いた表紙絵を見てもうなんというかただただ感動してしまいまして。
 空気感といいますか、二人の雰囲気と言いますか。表紙の空気感、最高じゃないですか。
 吐く息の絶妙な白さが冬の朝特有の冷たい空気感を、水平線の向こうから昇る陽とその光、そしてその光を受けたことりの髪がなびく感じときらめきの具合の美しさ。そしてにこ先輩とことりが見つめ合う微笑み具合が絶妙な関係性を表していて。ああ。これだ、と。
 海のシーンはあらすじだけ伝えて具体的な本文は伝えずにいたのですが、ほぼ自分が思い描いていたシーンとばっちり合う絵でして。というかそれ以上でして。
 そしてこれはもうちょっと自分もこの表紙に合うように詰めないとダメだなと思い、ほぼ本文は完成に近かったのですがそこから更に海のシーンを加筆したり修正したりしました。より具体的なイメージが湧いてきたといいますか。

 後、表紙の全体的なデザインも凄く好きで、いつの日かやってみたいなぁとは思うのですが、それ以上にどうしてもああいうとてもシンプルな、一つの絵というよりも画と言いますか、場面を切り抜いてそれをそっと置いたような存在感のあるああいうの、凄く心惹かれてしまいます。
 デザインに関しても自分は特にお願いしていなかったので、上がってきた時本当にびっくりしました。自分はああいうのが好きってあまり言ったことがないはずなのですが。haruka nakamura好きというところから察して頂けたのでしょうか。通じてる! ってなった感じでした。
 自分の好みをそこまで伝えたつもりがないにも関わらずドンピシャでびっくりしました……。
 
 坂城さんには作ってる途中色々とご相談に乗って頂いたり、色々とご面倒をおかけしたとは思うのですが、本当に描いて頂けて良かったと思います。
 ちなみに冬コミが終わって年が明けた後、我慢が出来ずに頂いた表紙データをちょっといじってA2ポスターを作って自分の部屋に飾りました(
 それ位気に入っている表紙です。

 また、今回はフルカラーのカバーになりました。 
 フルカラーの表紙という点では今までの作品は全てそうだったのですが、カバー付という点ではGHworksとしては初めての試みでした。
 前述しましたが、自分自身の原稿の直しが結構伸びてしまって締め切り直前になったのも起因して、印刷所を変えて締め切りを繰り延べすると同時にカバー付けちゃおうかな…??? と欲が出たのが原因です。
 実物はコミケ当日にならないと分からなかったのですが、結果としてはばっちりでしたね!
 実物を見た時はしびれました。カバーにして良かったと心の底から思っています。

◆次の話
 実は夏コミに応募しています。
 夏コミはうみまきで応募しました。言葉は悪いのですが、いい加減うみまきを終わらせようかなぁ、と。
 今考えているのは今まで書いたうみまき(『静穏―』は最近なので難しいですが)を纏めた上で、書下ろしを書いた総集編を出そうかなぁ、と。
 ただ、単なる総集編ではなく、今まで書いたうみまきを一つの話にしたいな、と思っています。

 そこでベースとなるのが間違いなく『8月のカーテンコール』です。
 『8月のカーテンコール』、meticoさんに描いて頂いた表紙がまずめちゃめちゃ好きなのですが、本文も自分の考えるうみまきが綺麗に書けてて気に入ってる作品でして。
 自分の中のうみまきはあの中にあると言っても過言ではないと思っています。
 それをベースにするということは、一番最初に出した『祈りの歌――』の海未と真姫の恋愛要素は無くなるでしょうし、『半径55センチ―』で書いた「星の海であなたと」も同じようになるでしょう。
 そういったことを踏まえて書き直すので、一体どう転がっていくのか自分でも分からないですし、そもそも書下ろしって何を書こうかとも思うのですが、なんとか作りたいなぁと思っています。

 とは言いつつ、全然現状出来ていないのですが。大丈夫か自分……。

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