『Ever Garden』のはなし(6曲目「紫陽花が咲くまで待っていて」

どうも。
浮月です。

『Ever Garden』の曲のコメントという名の言い訳…

◆6曲目「紫陽花が咲くまで待っていて」

―灰色の雨の中。私は、確かに彼女と目が合った―

新曲であり、物語が大きく動く場所です。
本当はこの前に一曲入れるつもりだったのですが、個人的に作りたいイメージと自分の実力の差があまりにも酷すぎて
(というか作り方がわからなかった)、なしになったという話があるのですがそれはどうでもいいですかね。
 
灰色の雨が降り始める中、店の外に出していた花を店内に入れようとする最中に、
伊鈴は反対車線でビニール傘を差した少女と目が合う「気が」したという場面です。
僕の中でその少女こそ由崎多汰美であるのですが。
まぁそれは聴いてる人によりけりだと思いますし、名も無き少女でも面白いかなぁ、とも思うのですが。
だからこそという訳でもないのですが、
この曲はフレーズイメージとしてドラマCD『トリコロ』の「あじさい」という曲のフレーズをそれっぽく入れています。
紫陽花が咲くまで待っていて、というのは自分の中で『トリコロ』の世界の断片であり、
自分も出たいと言う(深層の)意思を含ませて見たつもりです。

自分の中で【原作の『トリコロ』キャラ】…
つまり由崎多汰美というキャラクターが明確に場に出てくるのは後にも先にもここだけです。
後の話にも出てくることは出てくるのですが、それは伊鈴の脳裏に焼きついている多汰美であって
実際に現物?として出てくるわけではありません。
そういうニュアンスも込められたらなぁ、と思いながら作ってみました。

11拍子というのは伊鈴の世界が段々と歪んでいくというか、バランスが崩れている様を表したつもりです。
多汰美と目線が合った気がした伊鈴。自分という存在に気づいてもらうことは決してないし決して無いと思っていた彼女にとって、
それは想像以上の出来事だったに違いないでしょう。
そしてノイズが彼女に襲い掛かり、多汰美が微笑み消えていった反対車線をぼうぜんと眺めながら、
ただただ灰色の雨は降り続けるのです。