どうも。
浮月 いのりです。
夏コミ新譜『それでもわたしはあなたと共に』の曲紹介。
どうもこの曲が好きと言って下さる方が何人かいらっしゃった。
そんな5曲目です。
Track.5 雨の残滓
――
教会でピアノを弾いていたのを海未に見られていたことを知った真姫。
反射的に海未にキツイ言葉を浴びせ音楽室を、学校から飛び出してしまう。
雨が降り出す。
雨が酷くなる。
傘は持っていない。
濡れる。髪も、制服も、心も、何もかも。
頭の中でラの音を何度も鳴らす。
途切れる音。
教会で聞いた音。
鐘の音。
海未に向けたコード。
思い出の曲。
携帯が鳴った。
足が止まった。
体が重い。心は、もっと重い。
着信履歴に残る海未ちゃんという文字を見ながら、溢れ出るは後悔と涙。
嗚咽は雨の音に消える。
雨は、当分止みそうにない――。
・・・
スマホのバイブ音で皆さんびっくりされたでしょうか。
それがこの曲の気になってる部分の一つです……。
個人的にはもっとくっきりともっと大きく出したかったのですがうーんクリッピング。。。
さて。
真姫を精神的に落とす曲を作る。というのは構想時にはあったのですが、さてどういう曲にしようか、と。
教会で海未への告白に似たピアノ演奏を見られたことを知ってしまい衝動的に飛び出してしまった後の頭の混乱。
雨に打たれて冷静になってきて湧き上がる感情。
これをどう表現しよう、と。
雨の音。途切れ途切れになるラの音。フラッシュバックのように現れる音……。
鳴り出す携帯のバイブ音、そして悲しさを表現するようなピアノとストリングス……。
浮かんだのはkashiwa daisukeさんの曲。
こういうのをブレイクビーツとは言わないのでしょうが、サンプリング素材等を切り貼りして上手く不安定っぽさが出来たのではないかなぁ、と。
ほんと、色んな曲に影響を受けていますね自分……。
後半は作ってる途中「真姫ちゃんごめん……ほんとごめん……!」って思いながら作ってました。
嘘です。前半の最初のラ(A)の音からから言い続けてました。
この曲は一つの場面としては連続?しているので、敢えて前半後半切り分けませんでした。
あくまでも学校を飛び出した後の真姫の一場面を表した曲ですので。
曲単体としては前半後半分けた方がしっくりするのだろうなぁ、とは思っていたのですが、物語として考えるとどうしても切ることが出来ませんでした。
まぁ、このアルバムでなければ切り分けて別の曲としてやってもいいのかなぁ、とも思うのですが、いやはや。
海未とすれ違いが起きた後の真姫のどうしようもない心と言いますか、そういったものを感じていただけたら嬉しいです。
真姫はこの後熱を出して学校を休んでしまうことになります。
次はそんな熱で寝込んでいる意識をイメージした、このアルバムの中ではキワモノの方に位置する曲です。