夏コミ新譜4曲目「アングレカムの花束」のはなし

どうも。
浮月 いのりです。

夏コミ新譜『それでもわたしはあなたと共に』の曲紹介。
この物語の核となる曲。
4曲目です。

―その音楽は、きっと祈りで出来ていた。―

真姫は教会の聖堂でピアノを弾く。
想いを、言葉でどう表現すればいいかわからない想いを。
ピアノに乗せて。

一音、音を垂らせばいつまでも響き渡るかのような静謐。
誰もいないこの教会なら、きっと、許されるだろう。
神の前に、ただ一人、告白する――。

・・・

この物語の一番の核となる曲です。
海未は小説内で真姫の音楽を「祈り」と形容しましたが、そういった雰囲気が少しでも伝わったのでしょうか……。
単純に長いというのもありそうですが(苦笑)
でも下手すればあれ倍くらいの長さで10分超えたかもしれませんからね……。

例に漏れず苦労しました。何よりも作り始めたのが終盤という有様。
本来なら最初に作っておくべきなのですが、どうも手をつけるのが怖かったと言いますか。完全に言い訳ですが。

場面が場面のため基本的にはピアノだけという制約で、参考となる、つまり影響を受けた曲はあれど、さぁそのまま丸パクリするわけにもいかないですしどうすればいいのかかなり悩みました。
決まっていたのはラ(A)の音から始まること、後はEsus4/A(で合ってると思うのですが……ラ・シ・ミのやつ)を入れること。

特に後者は自分の中ではキーとなるコードで。
どの部分だよって話ですが2分40秒頃に一度教会内のピアノの音が消えた後語られるコードです。
更に具体的に言えば2分46秒で鳴る音です。
今言っててこれでEsus4/Aじゃなかったらと思っただけで冷や汗が止まりません。コードとかほっとんど知らないんですよ。

閑話休題

自分は勝手にこれを祈りのコード、なんて呼んでるのですが。
というのも、自分が影響を受けた、そして何よりもこのストーリーとこれだっというフレーズが出てきた時の曲のコードがこれだったのです。
その曲を聴いたとき、全ての物語は始まったのだと思います。
だからとても大事なコードで、ルートがラ(A)だったのも自分としてはベストでした。

それでじゃあどうするか、と言う話なのですが、ほぼ全編を通して少しずつ音を弾いては録音するのを止め、聴いては再び録音をして次の音を弾いていくという大分面倒くさいことをしました。
どうも。一発で弾けない子です。
後、ルートとメロディしか最初は弾いていませんでした。
もちろんそれだけでは寂しいのと、そもそも真姫はそんなのは弾かないだろうというのもあり、後からアルペジオを足したり、コードを足したりしました。
もっともっと、出来ることはあるでしょうし真姫ならもっと凄いことになるのでしょうが、現状自分ではこれが限界と言うのもあり。うーん。
後は、クワイアでしょうか。あれを入れるの本当に迷いました。
でも小説でああ書いちゃったし、かといってやっぱり外すことはできませんでした。
言語、単語にすることが出来ない想いを、ピアノという媒体を通じて表現しきれない真姫の中の感情を、自分の「言葉にならない声」という形で出さざるを得なかった、というのをどうしても出したかったのです。
これもその影響を受けた曲から影響を受けてるのですがね。。。

このCDに収録されているのはあくまで真姫始点なので、ピアノとクワイアしか入れていません。
ですが、出来たらいつか海未が聴こえていたものを作りたいなぁ、とも思うのですが、中々難しい気がしますねそれ……。

タイトルなのですが、アングレカムはどうしても入れたかったのです。
というのも、この花言葉、「祈り」という花言葉ともう一つ花言葉があります。
「いつまでもあなたと一緒に」

つまるところ、真姫はそういう想いで弾いていたのかもしれません。

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