『僕が考えた最強のトリコロ最終回合同本 ザ・ファイナル』に寄稿した作品「Farewell song」の後書き

原作ではお蔵入りでありながら、海藍先生的なキャラの立たせ方というか魅力を持っているキャラクター。
双観伊鈴というキャラクターを使い、多汰美と日常に近い形で、でも現実という強い力に逆らえなかった哀しい別れの話を紡いでみました。
『トリコロプレミアム』で伊鈴を見た瞬間、彼女と多汰美を絡ませた話を作りたいとずっと思っていました。
でも、彼女の詳細な設定は無いですし、多汰美と彼女を絡ませようとするとどうしてもシリアスになってしまいそうな、そんな予感があったのです。
言うなれば、クロの回のカバディの例えをする多汰美がずっと続くような。
それはさすがに二次創作として扱っていいものなのか。多汰美をこよなく愛しているのでそれが一つの冒涜に近い形で表現してしまうのでは、という思いがありずっと描かずにいました。
なのでこの最終回合同本の話を聞いた時。ああ、最終回でしかも合同誌なら――と思い、描いてみました。
最終回の話の流れとして、多汰美と伊鈴の二人それぞれの回想というテンプレート的な表現を使っています。
ただ、僕が二人に対する共通項として考えている『孤独』を表現するのには適切だったな、と描き終えて感じています。
本当は『トリコロ』という作品にあるであろう、伊鈴も含めたトリコロのキャラ全員が絡む話でもよかったのではないか。別れとかそういうのを抜きにした、ただ日常を描いて終わるのが理想なのではないか、との考えもありました。
しかし、伊鈴というキャラクターは東香とは違って原作には”いない”キャラクターなのです。
だからこそ、多汰美と伊鈴以外登場するキャラは極力出さず、かなり力技なのですが、ああいう形で終わらせました。
先に述べたような話はきっと他の皆さんが描いて下さっているでしょうし、ね。
この物語が、読者である皆さまの記憶のすみに残って下されば幸いです。

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